ああ、角刈りでもいいから

SixTONESの黄色い人を好きになった結果の産物

推し✕デニム=聖地

「都会にしか人が住んでないとか思うなよ、コンチクショウ」

これが私が今でも月に一度は口走る、田舎民のやっかみワード。

 

旧Jに限らず、様々なジャンルでおた活をするなら、圧倒的に首都圏住まいが有利であるという事実は、遷都でもしないとたぶん動かない。

そんな恵まれた人なんて、ほんのひと握りだとして(だけど声が大きい人が目立つように、そんな羨ましい人が目立つのもネット社会)、じゃあ首都圏の何倍ものおたくが分布しているだろう地方で、おたくとしての活動ーーとりわけ、『聖地巡礼』は可能なのか?

 

結論としては、『不可能ではない』。都内とは数で断然劣るとしても、ゼロではない。

たとえば私の住んでいるど田舎県、昨日放映の『鉄腕DASH』で慎太郎がロケに来てくれた。まさかの、大都会ワイルド髭イケメン(弟属性)が近場のエーゲ海に下り立ったわけで、さぞや県内のキャベツ業界はわっしょいわっしょいしたことかと。今日にでも地域のキャベツ売り場に、3人の似顔絵POPとか出てんじゃないの?(推測)

ええ私も買いに行こうかなと思ってますよ、牛窓甘藍。

 

他Gだけど、今をときめくメンカラ黒の大人気高身長イケメン様も、県内に先月映画ロケに来てくれたらしいじゃないの。

そして忘れちゃいけない、我らが稔さんこと国民的古風顔国宝イケメン(犬属性)・松村北斗氏が、『水辺のももくん』のポーズをしに来た・・・じゃなくて、安子ちゃんとチャリ練しにきたのさ。今これ書いてる目と鼻の先で。私もチャリ乗ってこようか。

 

ということで、個数は少なくても聖地巡礼チャンスは、ゼロではない。推し活は都会だけに非ず。

ただし、稀ではある。

その稀なケースのそのまた稀で、けれど貴重な経験をした話をば。

 

――――――

【Hail Mary Magazine】という雑誌が存在することすら知らないで、呑気にウン十年生きてきた。これに悪意はなく、ただ無縁だった。

雑誌しかり他の男らしい趣味しかり、私の知らない世界を強引にこじ開けるでもなく、日々笑顔でそっとご案内してくれるのが、私の推しであるこーちこと髙地優吾さんである。

おっと、慎太郎やほっくんみたいにこーちにも枕詞いります?相当長くなるけど大丈夫?あっ遠慮しますか、そうですか。

 

そんな格好よろしいメンズの皆さまがお読みになる雑誌に、我らがこーちが載った。しかも2回目らしい。編集部さん、見る目ある〜(誰)

余談だけど、この【Hail Mary Magazine】、文字数も多けりゃ情報量も多い。活字と音楽を養分に成長してきたような私だけど、この雑誌から押し寄せてくる情報の波をまだ消化しきれていない!

しかもこーちが1回目に載った号もお取り寄せしたので、まだまだデニムに対する勉強の余地がある、むしろ余地ばかりである。

推しの推しはもはや親戚のようなものなので(?)、ちゃんと知りたいから隅々まで読むつもり。てことはアンパン男も親戚か・・・

 

そんなマニアが深堀りし放題の渋い雑誌は、まさかこんな田舎都市で売ってないじゃろと思ったら、奇跡的に書店で遭遇できた。口から悲鳴が出る前に買った。

そして開いたページでは、タレ目界一の童顔男前きゅるきゅるシュワシュワアイドル(ハマ属性)・髙地優吾さんは、アイドル誌とは違う佇まいで漢らしく目線をそらしていた。格好良すぎだろ。思わず枕詞(省略版)いっちゃったよ。

これを非おたの同僚に見せたら、あまりの格好良さに絶賛が返ってきた。そーだろそーだろ、そのうち世界が気付くぞコレは〜。

 

その雑誌でこーちが私物として着用していたのが、ジャパンデニム発祥の地・児島が誇るデニムメーカー、TCB Jeansの30sデニム(上下)だった。こーちこれ最近よく着てるよね、ストチューブとかの動画で。

実は雑誌で出会う前、『ぽかぽか』でこーちがデニムコレクション写真をお披露目したところ、Reebok社長の田中様がその中にTCB Jeansがあることに気付かれて、Xでポストしていたのを運よく目撃していたわけで。

こんな田舎にも、こーちが気に入ってくれるものを作るメーカーさんがあるんだな♡と嬉しかったし、おたくとしては実物(※本人着用という意味でなく)を拝んでみたいという意欲がメラメラするのも、無理からぬことかと。文章かたいな。

 

そもそもが髙地担になる前から、ストチューブで見かけるメンバーの個性あふれる私服コレクションの中で、こーちの私服センスが好きだったんですよこれまた。

オーバーオールがあんなに可愛くキマるアラサーって何?組み合わせシンプルなのに、デニム姿なんかいいな・・・シルエットも好みだな・・・帽子もめっちゃかわいいの選んでるな・・・(とにかく小顔でスタイルがいいので、何着ても格好いいことにこの時はまだ気付いていない)

・・・はっ!好き!!笑

 

そんなこんながありまして、ここまでの経緯を軽くまとめると、

『こーちの私服が好き→(中略)→いつしか髙地担になる→県産のデニムを愛用していると知る→なんなら見てみたい』

ということを、私は脱線しながら長々と述べていたことになる。

そして前フリだけで、前編を終えることになろうとは。本当に話したいことよりも長いような気がする、壮大な前フリ。

 

つづく。

 

海の彼方が何色でも

流れ着いた先には、どんな景色が広がっているのか。

水際で飛び込むことを逡巡していた時には、それが何色をしてどんな雰囲気なのか、知る由もなかった。

でも、確実に足元は水に浸っていった。

 

前回、髙地優吾さんことこーちが徐々に気になり始め、でもそれを認めたくない自分との葛藤の末『見なければ好きにならない』と、目をそらすことで解決しようとしたというムチャな話まで終えた。

しかし、当然ながらこの話には続きがある。

普段、仕事と家事だけで体力的に精一杯で行き倒れている私に、+αなんて絶対ムリだと思っていた。

ただ不思議なことに、おたくにはマルチタスク機能が備わっているらしく、家事と仕事に加えてYouTube見たり同時進行で他の媒体を漁ることも、体力的に可能になった。

推しはまさかの滋養強壮剤である。

 

そのマルチタスク機能の中に、10月になると『ライブDVDを見る』という項目が追加された。そう10月といえば、『慣声の法則DVD』が発売される直前である。

そんな直前の1ヶ月で私は、『トンパク』『on eST』『feel da CITY』の3本を購入して全てに目を通した。一体24時間のどこにそんな余白があったのか、今となっては謎に包まれている。

そしてDVD鑑賞中、当然ながら目線はほっくんである。

が、これまた途中から「普段見てるのと、印象がずいぶん違うな・・・」と思う人につい目が行ってしまった。ご覧の方にはもう想像はついているかと思うが、念のため書いておきます。

髙地優吾さんです。(ホラきた)

 

後に知ることになるのだけど、ライブのこーちはどうやら魔性で見た者を沼に引きずり込むことで有名らしく、ついた二つ名が『他担狩り』であるとかないとか。(知りません)

まんまとそれにひっかかった、チョロい私であった。

が、まだ認めるわけにいかない。なんたって私はほっくんが好きなのだから。あんなにすべての才能に恵まれて、ただちょっと私服センスが凡人の私には高尚すぎて理解できないのと、性格がちょっと面倒くさいだけで。(だがそこがいい)

そんな素晴らしいほっくんを好きな私が、なんかちょいちょい気になる点があるとはいえ他のメンバーに目移りするとか、ないない。

ということで、私は断固『こーちから目をそらす』というミッションを遂げるべく、日々笑顔、いや日々封印を粛々とこなしていくのである。

 

しかし日常に潜む罠、いやこーちは笑顔で時々ドアを軽く叩いてはにこっと笑って、すっと姿を消すという迫り方(※私の一方的な感想)をして徐々に私の思考を侵食していった。

もはや目線をそらしようもない隅っこまで追い詰められたところで、『慣声の法則DVD』発売日前日、突如公式インスタで『ふらげしました♡(ジェシー反射ごめん)』と、すっごい顔が好みの男がこちらを優しく射るように見ていた。

いちおう、そう念のため書いとく。

髙地優吾さんです。(知ってる)

もはや水際まで攻められた、悔しい、でもまだ陥落はしていない。息切れ寸前でなんとかこらえているな、いいぞ私。逃げろ。

 

そして数日後、わざわざシアタールームを借りて1人で『慣声の法則DVD』開封の儀を行った私は、朦朧とする意識の中で呟いていた。

「メガネは、ズルいわ」

実は『落雷と顔面』で述べた好きな人物傾向に加え、私には『これさえあれば時価100倍』という必殺アイテムがある。

それが『メガネ』なのだ。

メガネによる付加価値の上昇率は、天まで届かんとするほどの威力を持つ。まさにメガネ1つでうなぎ登り。(ただしイケメンに限る、という有名なやつであるが)

ほっくんが以前『メガネの人』として有名になったことにも首がもげるほど頷けるし、アイウェアを多数所持しているというのもかなり得点が高い。

なのでSixTONESのメガネ担当=ほっくんと思っていたふしがあった。

 

そのメガネ(正確には透ける黄色のサングラス)を、DVDが始まって間もなく好きなタイプの顔をした男がかけて、どどーーーんと登場してくるのだ。まさに鬼に金棒、白いご飯に高級ふりかけ。

「見てはいけない、好きになったりしない」と必死で目をそらしていたこともあって、踏まれて少ししか水が流れていなかったホースから重しが外されたように、どっと濁流が押し寄せてきた。

ダメだ、好きだこれ。

 

DVDを観終えた時にはもう、完全に波に流されて気付けば遠くの浜辺に打ち上げられ、顔を見知らぬ生態の生き物につつかれていた。

そのくらいの勢いで、もう帰れないところにきてしまったことを自覚した。そうだよ私は、こーちを好きになってしまった。いやむしろ認めたくなかっただけで、とっくに足をとられていたのだろう。

「おかげさまで楽しく着きましたよ」なのか、

「北斗が俺を嫌いでも」なのか、

トンパクで1人泣こうとするほっくんを、輪に引き入れたあの映像なのか、

もはやスタート地点は遠い水平線のむこうで、泳いでも探り当てることはできない。

でもとにかく、私は流れ着いてしまったのだ。

無限かと思うほどに懐の広い、そして顔がめっちゃ好み(タレ目な時点で既にK点超え)の、この人に。

そして、今ではすっかりズブズブの髙地担である。あの葛藤の日々は何だったのだろうと思うぐらい。

 

そんな髙地優吾さん、本日お誕生日おめでとうございます。

そして本当に年齢非公開になってしまった。昨日まではそれがネタか本気か分からん、と思っていたけど、彼は笑顔の下でものすごく意思の強い人だったなと、改めておもしれー人を推しているなと愉しませてもらっている。

これからSixTONESを推していく人生の中でも、どんな大小の波がやってくるか分からない。

けどいくら遠くまで流されても、行きつく先はきっとダディの背中ですから。

そして振り返って、笑ってほしい。

それだけでもう、見知らぬ新天地でも生きていける気がする。

ドアをノックするのは誰だ?

【前回までのあらすじ】

数年間のニアミスを経てようやくSixTONESを認識し、松村北斗氏のドアをノックした筆者。

しかし気付かぬうちに忍び寄る影。誰もが自分に騙されている。(そういう使い方すんな)

 

松村北斗氏、つまりほっくんにどハマリして約15年のおたくコールドスリープから目覚めたわけですが、15年間は思ったより長かったことにのちのち気付いていく。

15年前は、はてダを愛用していたしtwitterもあったような気がする。たぶんfbもあった。

けど、YouTubeがこんなに蔓延していなかったし、旧Jは肖像権??か何かでweb上に写真が載ることはなかった。世はまさに石器時代

そこから一気に現代にやってきた、原始ギャルのような私(ギャルではない。BBAだ)。今まで『TVがなくても生きていける』を信条とし、YouTubeなぞ数えるほどしか見たことがない。

 

だからまさにSixTONESを囲む状況はカルチャーショック。さすが『Jをデジタルに放つ世代』っていうだけあるわ。

てなことで、新規おたくはほっくんを知るためにあれこれ見始める。ちょうど『ノキドア』放映中で『キリエ』前だから、アホほど(いや、働き過ぎを心配するほど)雑誌に載っている。

雑誌の次にYouTubeを観る。なんだこのおもろい6人!まとめてかわいいな♡みんな好き!!!!!!と言いつつ、目線は常にほっくん。とにかくベタ惚れ、スーパーのきのこ売り場で『ホクト』って書いてたら、ふり返って二度見するほどに。笑

 

しかし、タイムリーに更新されていたストチューブ『帰ってきたアポなし旅03』にて、「あれ?」と心がざわざわし始める瞬間に遭遇した。

朝から100km以上運転していた(途中、運転を交代した気配はない)メンバーが、「お陰さまで楽しく着きましたよ」と言ったのだ。

えっ?そこ、『疲れた』とか『俺が運転してやった』とかじゃなくて??『みんなのお陰で』なの??この人、仏すぎん?まだ20代なのに信じられんほど、心が広っ!!

当方BBAにして猫のひたいほどの許容量しか持ちあわせていないので、目の前の若者の大海のような心の広さにたまげた。そして、あっこの人『北斗が俺を嫌いでも』の人だ、と思い出した。

 

北斗が俺を嫌いでも、俺はずっとついていくから。

そう言ったのはご存知、SixTONESのダディこと髙地優吾氏である。

 

YouTube漁りと並行して過去雑誌の記事や、過去の出演作などの動画を見ていて、『あなたにお手紙書きましょう』『一万字インタビュー』にも出会っていた。

実家にほっくん専用の布団があるとか尊いな〜♡とか、えっこの人たちB.I.のメンバーだったの?正直中山ゆうましか知らんかったけど・・・ゴメン、みたいなところから出発して、徐々に暗いところにスポットがあたっていく。

そこでほっくんに向ける、当時まだ少年だったとは思えないほどの深い愛を知って、『今のほっくんそしてSixTONESがあるのは、この子あってこそだったのか』と驚嘆した。

そしてほっくんの過去記事に触れていくと、同時にどんどん隣の彼の存在感や人となりのあたたかさに惹かれていく事に気付く。

 

まずい。

なんか深い淵を覗いてしまった気がする。

今ならまだ引き返せるかもしれない。

 

私は目を逸らすことにした。

見なければこれ以上好きにならない、と思ったのだ。

落雷と顔面

誰しも、『好きなタイプ』そしてその共通点はあると思うんですよ。全部が共通してなくても、最大公約数的なやつでもいいけど。

この流れから予測できると思いますが、もちろん私にもありまして。

 

そもそも私が旧Jの世界に足を踏み入れたのは、大河ドラマ毛利元就』の松寿丸様との出会いでした。

それまで何ならちょっと、アイドル界を鼻で笑っていた(まじでスミマセン)十代を過ごしていたのに、そろそろ成人するかというタイミングで木の上から現れた貴公子にハートは串刺し。

その松寿丸様を演じていたのが、V6森田剛くん。

そしてそこから急に始まったおたライフ。

そしてその後もずっとVのアルバム買ってたのに、カミセンはおろかVのライブには一度も行かずじまいでした。(楽曲が好きなタイプのライトユーザーだった疑惑浮上)

でもトニコンには行ったよ!今でも人生でベスト3に入るくらいの、めっちゃ楽しいライブでした。

 

話を戻します。

昔は『推し』という言葉はなかったけど、敢えて『推しの遍歴』という表現をするなら、

森田剛くん→KinKi光ちゃん→黄金期Jr小原くん・町田さん→小原くんの親友、櫻井翔くん→(Jを離れてミュージシャン部門に出向)→NEWS末ズ→(人の親になっておた活凍結、その間Jじゃないけど板垣李光人くん美しー♡ってなる)

ときて、なんとなく自分の傾向が見えてくるわけです。ちなみに二次元では、幽遊白書の蔵馬や鬼滅の刃・無一郎くんを推してました。

ここから抽出される自分の好みとして、

・タレ目(ゆずれない)

・女顔

・ダンスがうまい

・ちょっと小柄

・歌が・・・うん、ちょっとね・・・

が見えてくるわけです。NEWSのへんになると、この定理はちょっと崩れてきてますけど。

 

そこでですよ。

夏のある日突然落雷に遭ったように松村北斗氏、つまりほっくんに目覚めたけれど、彼は案外この定理を外れているわけです。

抜群の顔の良さでダンスはものすごく好み、しかし177cmの大柄で歌もうまいし何よりタレ目ではない。私の好きになる人にしては、ずいぶん出来すぎているのではないか。

演技力文才歌唱踊り顔面体躯、すべての才能に恵まれた(ただ私服のセンスが謎)ほっくんは、レオナルド・ダ・ヴィンチもビックリの万能人に当時の私には見えました。(今はどうなんだ)

 

そしてようやく少し冷静にSixTONES全体を見始めてきた時期になって、「今までのパターンでいくと、私が好きになるのはこの人だったと思う」という人に目が止まりました。

それが後に私のすべてをかっ攫ってしまう、髙地優吾さんその人でした。

・・・が!!!

愚か者丸出しの私は、「まっ今回はそれはないか」と、またザルのようなセンサーを発動してしまってまた空白の時間を生み出してしまうのでした。ああもったいな・・。

開かざるドアが鳴る日

「おれにさー、ツイートの文字数で足りると思う?」と、先日の京本大我氏(以下『きょも』)スペースで言ったのは、松村北斗氏(以下『ほっくん』)だった。

わかる、その気持ち。

アロマテラピー精油のように、エッセンスを絞って凝縮して提供できるタイプがきょもで、大量の花や葉そのものをひとつひとつ「これはこうで」とかがせてくるのがほっくんだと思う。どちらにも優劣はなく、ただの性質の違い。

そして私ももれなく後者である。話が長い。それゆえかXの文字数140字で、おいしいとこだけ提供できる才能がない。

だからブログにて、長話しすることにした。

 

初回なので、お決まりではあるけど『出会い』から記していきたいと思う。

もちろんここで出会うのは、今や私の生活と思考の大半を占めているSixTONESという、音楽を愛する6人の大男たちのことである。

 

私が彼らのファンクラブに入会したのは先月だけど、今を遡ること2年半ほど前に実は最初の接触をしている。

とはいえ日付も具体的なシチュエーションも覚えちゃいないが、「NAVIGATORのポーズがあるんです」というトークが記憶に残っているので、たぶん何らかの歌番組で『NAVIGATOR』を聴いたと思われる。

しかし!!!

楽曲があまりにもタイプで、その時から今に至るまで『NAVIGATOR』は私内好きな曲ベスト5に常に入っているにもかかわらず、歌っている人のことは記憶からすっかり抜けているという大きな罪。

言い訳をするなら、その当時が家庭内の問題で人生一番大変な時期だったので、私のセンサーはザルところか網目はなく全てを通過させていたのかと推察する。

それにしても惜しいことをしている。当時の私に今から伝えられるなら、「いいかこの先、彼らが出ている歌番組は全て録画して残しておくんだ」と、胸ぐらを掴んで脳しんとうを起こすぐらいゆさゆさしたい。

 

そんなこんなでとんでもない失態をしてから約1年、これまたたまたま見た歌番組で「男性アイドルグループで曲が『わたし』って、斬新だなコリャ」と彼らに再度接触する機会がある。

しかし残念、私はまたしてもそのまま着陸せずにスイングバイして、サラッと立ち去ってしまうのだ。本当にバカバカ。さとう珠緒ばりに頭をポカスカしたい。

そして数年のポンコツ期間を経て、ようやく翌年夏の歌番組特番ラッシュで『こっから』を披露する、彼らに目を留めるのだ。ここまで長かった!本当に2年かかった。何を見てたんだ私は。

 

しかし只者ではないポンコツは、またしても軽く触れて離れようとした。センサーが壊れているというか、もはや最初からないのではと疑いたくなる。

しかし私のあまりの低機能ぶりに、音楽の神様が最後に助けの手を差し伸べたんだと思う。そう、タイミングよく『ノキドア』が始まったのだ。

「堤作品は何作か観ている、推理ものが好き」という2点だけで気まぐれで1話を観て、主演の2人かっこいいねー、でも来週は観るか分からんけどな!と失礼こきまくりの週末を経て、数日後ついにドアをノックされる時が訪れる。

 

あの日、仕事が大変ハードだった。もしや上司は、私をボタン1つで分刻みであちこち方向を変えて働けるロボットか何かと思っているのでは、と本気で疑うほどだった。

疲れきって脳から湯気を出しながら帰宅して、インスタを開いたらとあるCMが流れた。提供元はSony musicだった。

紫のレトロで派手な、凡人にはできない組み合わせの服を着たくるくるパーマのイケメンが、目線や表情をこれまたくるくる変えながら聞き覚えのある曲を歌っている。

そう、『こっから』の松村北斗ソロバージョンのCMに他ならなかった。そして開かざるドアが叩かれ、返事をする前にドアノブを壊して侵入者が強引に現れた。

 

かくして、『ノキドア』1話と2話の間で私の世界は、まさに昼と夜ぐらい変わってしまったのであった。

しかしもしもここまで読まれた猛者がおられるとすれば、私がこの先再び転換期を迎えて最終的に黄色い沼に落ちるとは、予測できないと思う。匂わせもクソもない、現時点でその黄色い彼は私の中で『無臭』なのだから。(本当にスミマセン)